ジンベエさんの日記帳

マッサージ師、浦島ジンベエの日記でーっす

昨日の敵は、今日の友 ~乳酸と筋肉~

有酸素運動

「乳酸」と言ったら「乳酸菌」という腸に優しい善玉菌を思い出すかもしれません。ですが、今回の話は筋肉の中にできる「乳酸」のことです。けっこうすごっく悪者扱いされていたんですが、どうも最近の見解では違うようだよ?というお話です。

 

 

遠い昔、20世紀終わりの昭和の時代。

 

自分が学生時代の時には、スポーツした後の筋疲労というのは運動によって筋肉内に「乳酸」が生産蓄積されるためだと言われてました。この乳酸により筋肉内部が酸性状態に傾き、そのため筋肉痛やら何やらを引き起こしているのだ、と、まことしやかに言われていたものです。ぶっちゃけ「乳酸は敵だ!筋疲労はこいつのせいだ!!」ぐらいの勢いでこの酸性物質君は悪者扱いされてたんですよね。

 

さて、時が過ぎ、平成も終わって令和ナウ。

 

この乳酸・筋疲労原因説はなんか違くね?と言われるようになっています。筋肉が動くときには糖分が必要で、この糖の分解過程の中で乳酸が生成されるのは、昔も今も変わらない。ただ、この乳酸によって筋肉内のpHバランスが酸性に傾くのではなく、pHバランスは乳酸生成時点に生じる水素イオンや、リン酸が主原因ではないのか。乳酸は運動時に利用されるエネルギーだし、その性質上、筋肉の回復過程を促進させてんじゃね?という見解が広がっております。

 

解剖・生理学的に「乳酸は筋疲労の原因物質じゃないよ説」が確定してるのかよくわかんないですけど、これは説得力があるよな、と自分は思ってます。

 

なお、この運動時の代謝中、乳酸や水素イオンやリン酸だけでなく、活性酸素も生産されております。そう、世間で割りと有名になってる「活性酸素」。こいつほど善悪の両面を持った存在はいないんじゃね?と個人的には思っております。神経伝達や免疫機構になくてならないレベルで関与しながらも、老化や病気の原因物質ともなっているのですから。でもって、この活性酸素によっても筋肉はダメージを受けるのですが、その話はまた改めて。

 

というわけで

 

『昨日の敵は今日の友』 とはよくぞ言ったものです。乳酸は疲労物質!と、かってかなりの悪目立ちされて乳酸でした。それが腸内フローラだの体内微生物群の話が世間に認知されるようになったこともあり「乳酸菌=善」というイメージと共に、「乳酸は筋疲労の原因ではなく、むしろ疲労を軽減させてる」てなところまでその名誉(?)は回復してきたんじゃないかと思っています。

 

時代が変わり医科学は進歩し、モノの見方が変わってくる。こういうのって面白いな、とつくづく思います。

 

ではでは、今回はこの辺で。

 

プライベートマッサージ 浦島

浦島ジンベエ